怪奇・推理

公開日2007.12.12 23:53. 更新日2007.12.13 02:41.

この2つの差は、謎がスッキリ解き明かされるかどうかだと思っています(え)。
犯人も原因も判らないままで終われば、事件が猟奇的なら、まんま恐怖物になりますよね。

読物

この境界辺りにあるのが、京極夏彦の「妖怪小説」こと京極堂シリーズ
本が分厚い(物理的な凶器レベル。寧ろ箱型)ので取っ付き難いのですが、中身は娯楽小説です。
活字が好きじゃないと正直キツイ分量だと思いますが、意外とあっという間(主観的)に読めます……時間は普通に流れていて吃驚しますけどね。もう朝かよ。
最初、漢字が難しくて退くかも知れませんが、直ぐ慣れます。雰囲気で読めばいい。
途中で出てくる妖怪に関する講義は、作中で聞いている関口君位の理解度(判ったような判らんような)で充分ですし……それほど身構えずに楽しく読んでみて欲しい作品です。
独特の後味があります。スッキリ系ではありません(榎木津が出てくるとその場面はそりゃあもう風通しが良くなりますが。色んな意味で)。

で、こういうシリアスなシリーズを読んだ後に同じ作者のどすこい。を手に取ると、あまりの馬鹿馬鹿しさ(褒め言葉)に変な笑いが止まらなくなります(これは、人によってかなり好き嫌いが分かれる)。
パロディ元小説を読んでいると楽しいですが、そうでなくても充分にアホですから問題はありません。

元ネタにされた作品の一つ屍鬼は、ジャンプSQで藤崎竜が漫画化連載してますね(原作は割と長い話なんですが、どう纏めるんだろう)。スロースタートのホラーなんですが、前半に日常が丹念に描写されているからこそ……です。
小野不由美は、十二国記の作者でもあります。続きは何時出るんでしょうか。

童話を題材に、かなりおぞましく仕上がっている(褒め言葉)のが断章のグリム
殆ど意識もしない位の極日常的な行為がいきなり怪異の引き金になる辺りが、実に嫌です。
心情描写も細やかですが身体描写(ぶっちゃけ損壊状態)も細かく、スプラッタが苦手な人は注意が必要(挿絵は大丈夫。飽く迄も文章)。ただ、全体の読後感は悲劇として美しいという、興味深い作品です。

コミックスのイチオシは魔人探偵脳噛ネウロ
以前、雑記で大絶賛記事を書いたりしました……割と良い意味で裏切り続けてくれます。サドさにもニュアンスや質の違いは歴然としてあるんだな、と妙にシミジミ噛み締めさせられたり、思わぬところで感動させられたりもしました。
全体としては滅茶苦茶なんですけど(これでも褒めている)。
いきなり「良い人」にはならないけれど、ゆっくりとした温かな変化がある……という匙加減も絶妙です。
全体としては惨いんですけど(うっかり忘れそうになる)。
頭から通して順番に読むべきです。構成と演出がそうなってますので。

資料

強いて知る必要は無いのですが(特に、オカルト寄りの)本をおおよそ1.2倍(微妙)程度面白くしてくれるのが「ユング心理学」の知識。
これを下敷きにして世界観を造っている(と思しき)作品は多いのです。
集合的無意識、ペルソナ(仮面)、シャドウ(影)、アニマ(魂の女性像)、アニムス(魂の男性像)、グレートマザー(太母)…辺りの用語は割と有名ですね。
趣味や教養として齧る分には面白いですよ。殊に、神話・伝承好きにとっては。
(因みに、心理学は文系の学問ですが、真面目に研究するとなると統計を避けて通れません)
さあ、作中の説明を理解できずに「ふーん」と只感心して流す日々にグッバイ!
昔話の深層、の方で全体を俯瞰してから魂に…を読む事をお勧めします。どちらも余り硬くないので、さらりと読めますよ。判りやすいですしね。

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